6. D-Case ツール
D-Case 普及促進のため支援ツール、D-Case Editor を開発しています。
D-Case Editor はDCase/GSN を記述・編集するためのグラフィカルエディタです。
本報告書のD-Case の図もD-Case Editor を使って描かれています。D-Case Editor には以下の機能があります。
・D-Case/GSN(Goal Structuring Notation) のサポート
D-Case のフォーマットに加え、OMG ARM など標準的な
Assurance Case フォーマットのファイルを読み込み、作成可能です。
・D-Case/GSN パターンライブラリ
再利用可能なD-Case テンプレートのライブラリ
・基礎的な変数型チェック
D-Case の記述に型つきの変数を用いることができます。
型チェック機能により内容の妥当性・安全性をチェックできます。
・DEOS プロジェクト成果物との連携
D-RE(DEOS ランタイムアーキテクチャ)との連携など
D-Case Editor はEclipse プラグインとして実現されており、Eclipse 上で動作します。
上述のとおり、これまでは必要となるD-Case 作成支援ツールの基本機能セットを整備してきました。
一方、D-Case を用いてディペンダビリティ保証議論を構築し、ステークホルダ間の合意形成を支援するためには、
システムライフサイクルを通じて作成される文書(各種仕様書、評価レポート、会議議事録等)
とそれらとD-Case との紐づけが重要になります。そこで恩田グループでは今年度から、
「エビデンス文書の管理支援と実証実験」としてD-Case およびD-Case
に紐づけられた文書の適正な管理手法についての研究に取り組んでいます。図10に概念図を示します。
D-Case ツールにはこの他に、ベンチマークツールDS-Bench/D-Cloud との連携機能や、
汎用的なモニタリング機能拡張、そしてWeb Browser 上でD-Case を作成・編集できるツールであるD-Case Weaver があります。